SF(発泡射出)成形

SF(発泡射出)成形とは

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発泡射出成形(SF成形:Structural Foam成形)は、一般的な射出成形に準じた工法で、プラスチック製品の大量生産に適した成形方法です。

内部に微細な気泡を含む発泡構造体を形成することで、厚肉部品の成形を得意とします。

標準的な肉厚は 4mm〜10mm で、発泡構造によって材料の軽量化を図りながらも、十分な強度を持つしっかりとした成形品を製作できます。

金融端末やセルフレジ、医療機器のカバー、プール用ろ過装置のフィルターを保持する機構部品などに採用されています。

製品詳細

一般的な射出成形との比較

一般的な射出成形は射出圧力が高く、射出完了後には保圧をかける必要があります。そのため、成形品が大きくなるほど内部応力も大きくなり、変形やヒケが発生する懸念があります。また、対応可能な肉厚は一般的に4mm程度が限界とされています。

一方、SF成形では最終充填部は発泡圧で充填するため、保圧が不要です。その結果、内部応力が小さく、変形やヒケの抑制が期待できます。さらに、4~10mmの厚肉成形が可能で、剛性が高い成形品を得ることができます。

  • 成形方法比較

特長

剛性UP
基本肉厚4〜10mmで、板金に近い高剛性の成形品を実現します。厚肉化により強度が向上し、引張・曲げの両荷重に有利です。

軽量化
成形品の剛性を確保したまま軽量化に貢献します。特に金属部品からの置き換えについては大きな効果が期待できます。

優れた寸法安定性
低歪みの成形工法により、複雑な形状でも変形の少ない成形品を実現します。アルミダイカストからの置き換え検討にも適しています。

ヒケ・ソリ改善
発泡圧で樹脂を充填する低圧成形のため、ソリの少ない成形が可能です。内部が発泡層となることで成形収縮による肉やせが軽減でき、ヒケの改善にも効果があります。

コストダウン
意匠部と機能部を一体成形できるため、部品点数や組立工数を削減でき、コストダウンにもつながります。

省エネ化
一般的な射出成形では大きな型締め力が必要ですが、SF成形は低い型締め力で成形できるため、成形機のダウンサイジングが可能です。

用途例

産業別採用事例

  • 血液分析装置ベース

    血液分析装置ベース

    金属シャーシからSF製ベースに置き換えることで、シャーシレス化による軽量化とコストダウン、さらに生産性向上を実現しています。

  • 血液分析装置トップカバー

    血液分析装置トップカバー

    SF成形により部品の一体化を実現し、部品点数削減に大きく貢献します。また、SF成形とガスアシスト成形を組み合わせることで超厚肉部の中空化にも対応しています。

  • 新生児保育器本体

    保育器

    寸法安定性と高い剛性を備えたSF成形品が、新生児をやさしく、しっかりと支えます。

  • 歯科用自動現像機タンク・カバー

    歯科用自動現像機タンク・カバー

    高剛性と優れた寸法安定性により、自動現像機の小型化と部品点数削減に貢献します。

  • 分析装置シャーシ・カバー

    分析装置シャーシ・カバー

    ガラス繊維を含むSF成形品が高い剛性を発揮し、分析精度の維持に貢献します。

  • 大型ATMカバー

    大型ATMカバー

    SF成形による一体成形で意匠性が向上します。さらに、裏面に多数のボスを配置することで部品点数の削減にも寄与しています。

  • プール水浄化板フィルター板

    プール水浄化板フィルター板

    低歪み・厚肉対応のSF成形により、フィルター板を重ね合わせる構造を実現し、高いろ過性能に貢献しています。

他工法からSF(発泡射出)成形への置き換え事例

SF(発泡射出)成形の物性

比重

比重

変性PPEは発泡による軽量化効果が高く、非常に軽い材料です。GF(ガラス繊維)を加えると比重は大きくなりますが、強度・剛性・耐熱性が大幅に向上し、高性能が求められる用途に適しています。

※数値は保証値ではありません。
※GF30:ガラス繊維30%

耐熱性

耐熱性

変性PPEにGF(ガラス繊維)を加えた樹脂は耐熱性が高く、高温環境での使用に適しています。

耐熱性は「荷重たわみ温度」で示しています。「荷重たわみ温度」とは、試料に指定の曲げ応力を与え、規程のたわみ量に達する温度です。一般的に使用環境温度はこの荷重たわみ温度の〔-10~-15℃〕程度が目安です。

※数値は保証値ではありません。

線膨張係数

熱による伸縮は使用する材料で大きく異なります。特にガラス繊維入り樹脂(GF30%)は、線膨張が小さく温度変化に強いため、高精度が求められる部品に適しています。
また、変性PPE+GFはアルミニウムに近い特性を持ち、寸法安定性にも優れるため、アルミダイカストからの樹脂化検討に適した材料です。

  • 線膨張係数
  • 変位量

肉厚ごとの耐荷重

SF成形では厚肉成形が可能なため、一般的な射出成形と比べて引張・曲げの両荷重に対して有利な耐荷重特性が得られます。厚肉になるほど変位量1mmに必要な荷重が大きくなる傾向があります。
特に曲げ荷重ではその効果が顕著で、ABSの一般的な射出成形(肉厚3mm)と比べると、変性PPEを用いたSF成形では、肉厚8mmで約17倍、10mmでは約31倍の荷重に耐えることができます。なお、示している数値はあくまで参考値であり、保証値ではありません。

  • 変位量1mmに必要な荷重(引張)
  • 変位量1mmに必要な荷重(曲げ)

引張特性と曲げ特性

SF成形は厚肉化が可能で、引張・曲げ試験力が向上し、剛性の強化に寄与します。一方で、発泡セルに応力が集中するため、引張・曲げ特性は一般射出成形品よりやや低くなります。しかし、SF成形品は内部が発泡層、表面がスキン層の構造となっており、この配置により曲げ特性に優れています。また、引張強度・曲げ強度はGF(ガラス繊維)を含有した材料のほうが高くなります。

  • 引張試験力
  • 引張強度
  • 引張弾性率
  • 曲げ試験力
  • 曲げ強度
  • 曲げ弾性率

説明動画

試作金型を活用した材料提案も行っています

当社保有のSF成形サンプル製作用金型を活用して、新しい材料でSF成形のトライ評価が可能です。
ご要望に応じて、SF成形の採用に必要な成形肉厚(MAX10mm)の板サンプルのご提供や、当社保有の設備での測定・評価が可能です。
詳細はお問合せください。

お問合せから導入までの流れ

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用途例

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