ため池・調整池

設計上のポイント

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貯水池の周囲における地形・土質・地下水位・湧水などの立地条件や、降雨量・降雪量・気温・風・地震といった気象条件を十分に考慮し、法面勾配、池の形状、ドレーンの配置、余水吐の規模、構造物の配置、そして遮水シートの種類を決定します。

特に、法面部のみ、または貯水池の一部のみを施工する場合は、かんがい用ダムにおける許容漏水量(貯水量の0.05%/day)を踏まえ、より慎重な仕様検討が求められます。

詳細情報

基盤造成

ミズシートは伸び率が大きく、コンクリートやアスファルトパネルと比べて圧密沈下への追従性に優れています。
基盤造成では、礫・木片・木根などの突起物を除去し、十分に転圧を行って必要な支持力を確保します。
平滑な仕上げが難しい場合は、保護マットや砂層、ソイルセメントなどの保護工法の併用を検討します。
また、基盤が軟弱地盤で大きな沈下が予想される場合は、土質や規模に応じて置換工法、サンドドレーン工法、プレロード工法などの地盤改良を行い、基盤の安定化を図る必要があります。
さらに、切盛土の取り合い部や大きな抜根跡、コンクリート構造物周辺では、局部沈下や陥没を防ぐため、入念な締固め作業を行います。

出展元
土地改良事業設計指針「ため池整備」P.138(H12)
監修:農林水産省構造改善局建設部設計課

堤体(法面勾配)

堤高が10mを超える場合は、安全性を確保するために小段の設置が望ましい構造です。 法面勾配は、土質や規模に応じた安定勾配(概ね1割5分以上)を設定します。

特に次の場合は安定を検討する必要があります。 
1. 盛土高が高い場合
2. 地下水位が高い場合や湧水の多い地点
3. 軟弱地盤
4. 地すべり地帯の不安定な地盤
5. 急斜面上の盛土

堤高 H (m) ~5 5~10 10~15  
貯水位までの高さ H1 (m) ~3.3 3.3~7.8 7.8~12.2  
計画越流水深 h1 (m) 0.3~0.5 0.5~0.8 0.8~1.2 余水吐の位置・構造により差がある
余裕高 h2 (m) 1.0~1.2 1.2~1.4 1.4~1.6 0.05H+風波高(最高1.0m)を原則とする
堤頂幅 B (m) 2.0~3.0 3.0~4.0 4.0~5.0 0.2H+2.0m(最低3.0m)を原則とする
前法勾配 n (割) 1.5~1.8 1.8~2.1 2.1~3.0 1.5~3割
前法小段幅 b (m) 0~1.5 1.5 2.0 小段を設ける場合は最小1mとする

堤高が10mを超える場合は小段を設置するのが望ましい方法です。
法面勾配は土質や規模に応じた安定勾配とします。(1割5分以上)

ミズシートの固定

  • 天端固定工

    天端でのシート端部の固定は、図①のとおり法肩から水平に500mm離れた位置に溝を設け、その溝へシートをL字状に折り込んで敷設します。 水や空気が入り込まないように丁寧に埋め戻し、十分に転圧して固定します。 法肩を美しく仕上げるためには、図②・図③のようにコンクリートを打設します。 また、維持管理の観点から、フェンスなどの危険防止対策を適切に実施します。

  • 構造物の取り合い

    構造物周辺は、埋め戻し土が沈下しやすいため、十分に締め固めを行う必要があります。あわせて、構造物端部は面取りを施し、接着幅は300mm以上を確保します。

揚圧力対策

  • 地下水、湧水処理(アンダードレーン

    地下水や湧水による揚圧力を排除するため、必ずアンダードレーンを設置します。 アンダードレーン周囲には、目詰まりによる排水不良や、吸い出しに起因するパイピング・陥没を防ぐため、フィルター材で巻き立て処理を行います。

  • エアー抜き

    ミズシート下部に残留する空気や、基盤内の空気・発生ガスを排出するため、必要に応じて法面にエアー抜きパイプを設置します。 エアー抜きパイプは、法尻から天端まで20〜30m間隔で有孔管を配置し、法肩から抜気する方式が標準です。また、底面には状況に応じて1/500〜1/200の範囲で勾配を設ける場合があります。

各種仕様詳細図

  • 張りブロック

  • パイプ廻り納め

  • 法尻(ブランケット工法)

    法面ライニングにおけるシート端部の埋め込み深さは、土質などの条件に応じて決定します。別途、諸条件の元に計算・検討ください。

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